糖尿病

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日本の糖尿病人口は増加を続けており、2012年の統計では糖尿病が強く疑われる人は950万人(20歳以上)といわれています。膵臓から血糖値を調整するホルモンが分泌されますが、その中で血糖値を下げる働きがあるのがインスリンです。

このインスリンの分泌が低下している場合やインスリンがうまく働いていない場合に高血糖となります。食の欧米化、自動車普及などによる運動量の減少が主な原因です。

また高齢社会となり、加齢による膵臓からのインスリン分泌低下や筋肉の減少が高血糖の原因となります。

血糖値異常はまず食後高血糖が出現し、その後空腹時血糖値も上昇する場合が多いため、空腹時血糖値のみの評価では見逃されてしまう可能性があります。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは、1~2か月の血糖値の平均を評価するために測定されますが、境界型糖尿病や初期の糖尿病では高値を示さない場合があり、これだけでは糖尿病の有無につき判定することはできません。

糖尿病の分類
1型糖尿病 自己免疫、ウイルス感染、遺伝などで膵臓からインスリンが出なくなって血糖が上昇する。糖尿病全体の約5%。
2型糖尿病 生活習慣、遺伝などが原因で血糖が上昇する。糖尿病の約95%。
続発性糖尿病 慢性膵炎、肝硬変、甲状腺機能亢進症、ステロイド剤などにより血糖が上昇する
妊娠糖尿病 妊娠がもとで糖代謝異常が出現する

血糖値異常を指摘された場合で、空腹時血糖値≧110mg/dl、随時血糖値≧140mg/dl、HbA1c≧6.0%を指摘された場合は、ブドウ糖負荷試験を行い正常型・境界型・糖尿病型を判定します。

糖尿病治療の目的は、血糖コントロールにより合併症を予防することです。

合併症の種類
急性合併症 糖尿病性昏睡(ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群、乳酸アシドーシス、低血糖)
慢性合併症 3大合併症と呼ばれる糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症の他に、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、脳血管障害、末梢血管障害(下肢閉塞性動脈硬化症)があります。
  1. 糖尿病神経障害:下肢のしびれ、ジンジン・ピリピリした痛み
  2. 糖尿病網膜症:視力低下、失明
  3. 糖尿病腎症:アルブミン尿、尿タンパク検出。むくみ・倦怠感など
  4. 虚血性心疾患:息切れ、胸痛など認めますが、糖尿病患者さんは無症状の場合もあります
  5. 脳血管障害:ろれつ困難、麻痺など
  6. 末梢血管障害:歩行時の下肢のだるさ、痛み(安静で症状改善することが多い)

治癒することは容易ではありませんが、血糖コントロールを行い糖尿病と上手に付き合うことで健康寿命を維持することが可能です。

その他にも、歯周病、がん、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH/NAFLD)、糖尿病性骨減少症、糖尿病心筋症、皮膚病変、睡眠時無呼吸症候群など様々な合併症との関連が指摘されています。

そのため、食事・運動療法でコントロールできている場合でも定期的に受診いただきコントロール状態をチェックし、合併症評価も定期的に行うことが必要です。その他に眼科受診、歯科受診、足のけがなどのチェック(フットケア)が大切です。

糖尿病の対策

バランスの取れた食事

適度な運動

野菜から食べる(急激な血糖値の上昇を抑える)

適量なアルコール

糖尿病の治療は、食事・運動療法の重要性が非常に高く、これらの基礎が不十分であれば治療薬の効果が十分発揮されません。

バランスの取れた食事

三大栄養素

三大栄養素バランス

糖質55-60%、タンパク質15-20%、脂質25%

摂取カロリー

カロリー計算、栄養バランス(最近では糖質制限食が血糖の変動を抑制し合併症予防に効果があること、HbA1c改善の報告が増えてきています)、治療薬は糖尿病のタイプ、血糖コントロール状態、体型、年齢、合併症の有無で異なりますのでそれぞれのかたにあわせた治療を行い、治療薬も内服薬、インスリン注射、インクレチン注射に分類されそれぞれのかたに合った治療を行っております。

インスリン・インクレチン注射の導入・指導も行っております。

また、妊娠中に検査で初めて指摘された場合の妊娠糖尿病、糖尿病のかたが妊娠された場合の糖尿病合併妊娠のかたについては、インスリン治療が基本となり妊娠週に応じて血糖が変化していくため調整を行います。

キャッシュレス決済

上図のキャッシュレス決済に対応しています。

診療時間

臨時休診日および夏季・年末年始の休診日については「お知らせ」またはトップページの「「カレンダー」でご確認ください。