高齢化に伴い、椎体、大腿骨の骨折が原因で日常生活レベルが大きく低下することが問題となっており、それには骨粗鬆症が深く関わっていることが知られています。介護が必要となる人の5人に1人は骨折・転倒・関節疾患が原因で、脳卒中についで多いといわれています。
我が国でも骨粗鬆症の患者さんが年々増加しており、1,300万人と推測されていますが、そのうち治療を受けられているのは200万人程度といわれています。
骨粗鬆症とは、「骨強度の低下を特徴とし、骨折リスクが増大しやすくなる疾患」と定義されています。
閉経にともなう女性ホルモンであるエストロゲンの減少や加齢に伴い、骨の吸収される速度が形成される速度を上回るため骨密度が低下するとともに、骨質の劣化が「骨の強度」を低下させます。
「骨強度=骨密度+骨質」であるため、骨密度が低下していない場合でも骨強度が低下している可能性があります。糖尿病では骨密度は低下していない場合でも骨折リスクが高いことが指摘されています。
また、高血圧や脂質異常症などは酸化ストレスを増加させるため、骨質の劣化に関わっているといわれています。
腰の骨(腰椎)や太もものつけ根(大腿骨近位部)の骨密度を正確に計測 できます。
かかとやすねの骨に超音波をあてて測定します。
X線を使って、手の骨と厚さの異なるアルミニウム板とを同時に撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比べることによって測定します。
骨密度の測定方法は、おもに3種類あります。腰椎と太ももの付け根で測定するDXA(デキサ)法、かかとやすねで測定する超音波法、手で測定するMD(エムディ)法があります。
2023年9月より腰椎・大腿骨の骨密度(DXA法)を測定できるようになりました。
腰椎および大腿骨の骨密度を測定することにより、これまで以上に骨折リスクの評価ができ、早期の骨折予防が可能です。
また、治療薬の効果も評価しやすくなるといった利点があります。
これまで通り、腕(橈骨)の測定も可能です。腕の測定は骨の変形が強い場合、術後、ベッドに横になることが難しいかたの測定に適しています。
閉経後の方、ご高齢の方(女性だけでなく男性も)、椎体圧迫骨折・大腿骨骨折の既往があり骨粗鬆症治療をうけられていない方など骨密度測定をお勧めいたします。
また治療中の方も定期的にチェックをさせていただきます。
骨粗鬆症の予防はカルシウムやビタミンD類などの摂取といった食事療法と適度な運動で骨にも負荷をかけることが大切です(宇宙飛行士は宇宙滞在が長いと骨密度が低下します)。
骨粗鬆症の治療薬は内服薬、注射薬と種類が豊富です。患者さんの病態およびライフスタイルにあわせた治療薬を用います。
内科疾患をお持ちのかたでも骨粗鬆症を合併されているかたが増加しており、当院でも治療をおこなっております。
上図のキャッシュレス決済に対応しています。
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